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「岩のそばで、生きていく。」クライマーの移住を考える
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メリット3拍子
「週末の外岩生活、もうちょっと楽にしたい」 「登れる場所のそばで、自然に囲まれて暮らしたい」
そんな声に、岐阜県は静かに、しかし確実に応えてくれる。
特に中津川・恵那・瑞浪など東濃地方は、 岩場密度・家賃の安さ・生活利便性の“3拍子”が揃った、隠れたクライマー移住の聖地。
このエリアに実際に住むとどうなるのか? ライフステージ別に、リアルな視点で深堀りしていこう。
目次
ライフステージ別・岐阜移住のリアル
◆ 単身クライマー(20〜40代前半)
▷ 岩との距離
- 笠置山ボルダー、付知峡、瑞浪屏風岩、明知ルートなどが車で30分圏内。
- 平日夕方の“岩場ちょい寄り”が現実に。登る頻度が桁違いに増える。
▷ 暮らしやすさ
- スーパー・コンビニ・コインランドリー・銭湯が揃う“ちょうどいい田舎”。
- 市内にジムもあり、トレーニング環境◎。
▷ 家賃・生活費
- アパート(1K〜2DK):3.5〜5.5万円
- 戸建て賃貸:4.5〜6.5万円/空き家バンク経由なら**2万円台〜**もあり
- 水道代:月1,500〜2,000円前後
- 月7万円もあれば、登り中心のミニマム生活が成立
▷ 働き方
- 製造・物流・林業・建築など現場系の常時求人あり
- リモートワークも可能
- 季節ごとの農業バイト・観光施設・民泊スタッフなど柔軟な働き方ができる
▷ 地域の懸念
- 消防団、草刈りなど“地域活動”は一部必須。参加姿勢が大事
- クルマ生活前提。免許なしでは成立しない
◆ パートナーと2人暮らし
▷ 暮らしの雰囲気
- 恵那市や中津川駅周辺は町並みが綺麗。カフェ・図書館・古本屋・温泉など充実
- 2人でのんびり登って、畑をいじって、週末は地元の朝市へ──という暮らしができる
▷ 住まい
- 2LDK〜3LDKの戸建て賃貸:6〜8万円程度
- 築年数ありだが広い日本家屋が多く、DIY向き
- 売買なら200〜500万円台で古民家が手に入ることも
▷ 地域との関わり
- 「田舎だけど閉鎖的ではない」空気感。ほどよい距離のご近所づきあい
- マルシェや移住者交流イベントもあり、暮らしに彩りがある
▷ 懸念点
- カルチャーは薄め。ライブハウスは皆無に近い
- とはいえ、外岩というカルチャーがあれば問題なし
◆ 小さな子どもを育てる世帯
▷ 子育ての魅力
- 自然保育、少人数制、公立の幼小中一貫校など、のびのび育てられる環境が整う
- 夏は川遊び・秋は山歩き・冬は薪割り。四季を体感する“遊び=学び”の毎日
- 通園通学も車で5〜10分圏内に集約されている
▷ 教育支援
- 保育料は所得によっては実質無償化
- 小中学校の給食費補助あり
- 医療費助成(中学校卒業まで)+通院交通補助あり
▷ 地元の目
- 「子ども連れ」は歓迎されやすい雰囲気
- 地域ぐるみで子育てを支える文化がまだ残っている
▷ 懸念点
- 進学時に都市部との選択が必要。高校・大学の選択肢は少なめ
- 冬場の雪・路面凍結には対応が必要(通学・送迎)
◆ 子育てが終わった50代〜リタイア世代
▷ セカンドライフの聖地
- 空き家を改装し、畑・薪ストーブ・犬との暮らしを楽しむ
- 週3登って、週2焚き火して、あとはコーヒーを淹れるだけ──そんな生活が可能
▷ 地域活動と信頼
- 年齢層が高くなるほど「歓迎されやすい」傾向
- 山岳会、町内会、ボランティアなど交流機会が多く、役割を持って暮らせる
▷ 医療と足回り
- 医療体制は町ごとに差があるが、中津川・恵那には大きな病院もあり安心感あり
- 雪や凍結時も含め、車生活を続けられるかがカギ
結論:岩に人生を合わせてみる
岐阜県の東濃エリアは、クライマーにとって「都合が良すぎる田舎」だ。
岩が近い。 でも街もある。 人との距離は遠すぎず、近すぎず。
そして何より、暮らしの中に登る余白がある。
週末クライマーを続けるのも悪くない。 けれど、一歩深く岩のそばに踏み込むことで、 クライミングという行為が「生活」そのものに近づいてくる。
登るように働き、登るように暮らす。 そんな生き方を、岐阜では始められる。
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